遺言書作成業務

遺言書作成業務

相続をめぐるトラブルを未然に防ぐため、遺言書の作成を検討される方が年々増えています。しかし、いざ遺言書を作ろうとすると、どのような形式にすべきか、法的に有効な内容とは何か、誰に相談すればよいかといった疑問が多く生じるのが実情です。

こうした中で、司法書士による遺言書作成のサポートが注目されています。司法書士は、相続や不動産登記の専門家として、遺言書の作成からその後の手続きまで一貫して対応できる点に大きな強みがあります。

本記事では、司法書士による遺言書作成業務の内容を詳しく解説するとともに、公正証書遺言と自筆証書遺言の違い、弁護士や行政書士との比較、各方式のメリット・デメリットについてもご紹介します。

司法書士が提供する遺言書作成支援とは

司法書士による遺言書作成支援では、まず遺言者の意向を丁寧に聞き取り、法的に有効で、かつ相続人間の誤解や争いを避けられるような文案を提案します。

特に不動産や預貯金など具体的な財産が関わるケースでは、相続登記や金融機関の手続きと連携した実務的な視点が求められますが、司法書士はこうした手続きを見据えたうえで助言が可能です。

また、公正証書遺言を作成する場合には、公証人との打合せ調整や必要書類の準備、証人の手配、当日の立会いまでを含めた全面的なサポートを行うことができます。

加えて、遺言書作成後に実際に相続が発生した際には、遺言内容に基づいて遺言執行者としての業務を担うことも可能であり、まさに「生前から死後まで」を見据えた包括的な支援が司法書士の特徴です。

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

遺言書にはいくつかの方式がありますが、実務上よく利用されるのが「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」です。両者の大きな違いは、作成手続の厳格さや安全性、そして作成後の扱いにあります。

公正証書遺言は、公証役場において公証人が作成するもので、遺言者が口頭で意思を述べ、それを基に公証人が法的要件を満たした文書を作成します。この方式では、証人2名の立ち会いが必要であり、完成した遺言書は原本が公証役場に保管されるため、紛失や偽造の心配がありません。

また、家庭裁判所での検認も不要であるため、相続開始後の手続きが迅速に行えるという利点があります。

一方、自筆証書遺言は、遺言者自身が全文、日付、氏名を自書し、押印することで成立します。費用をかけずに手軽に作成できる点がメリットですが、法的要件を満たさないと無効となる可能性があるため、注意が必要です。

近年では、法務局での保管制度が導入され、自筆証書遺言でも一定の安全性が確保できるようになりました。

公正証書遺言と自筆証書遺言のメリット・デメリット

それぞれの方式には一長一短があります。

公正証書遺言の最大のメリットは、法的な確実性が高く、相続開始後の手続きがスムーズに進む点です。公証人が内容を確認するため、形式的な不備で無効となる心配がなく、相続人間の争いを防ぐ効果も期待できます。

また、原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。デメリットとしては、公証人手数料や証人の確保が必要であるため、一定の費用と手間がかかる点が挙げられます。

これに対し、自筆証書遺言は、費用をかけずに自分のタイミングで作成できるのが大きな利点です。ただし、形式的な要件を満たしていないと無効になってしまう恐れがあり、また保管や相続後の検認手続きに時間を要することもあります。

さらに、遺言の内容が曖昧だったり、相続人に不公平感を与えたりすると、相続争いの火種となる可能性も否定できません。

どちらの方式が適しているかは、遺言者の財産の状況や家族構成、将来的な紛争のリスクなどを踏まえて判断する必要があります。

弁護士や行政書士との比較

遺言書の作成支援を行う専門家には、司法書士のほかに弁護士や行政書士がいますが、それぞれの専門分野や対応可能な業務には違いがあります。

弁護士は、相続争いなどの法的紛争を見越した対応が必要な場合に適しています。例えば、相続人同士で争いが生じている、あるいは訴訟の可能性が高いといったケースでは、弁護士が介入することでトラブルの収束を図ることができます。

一方、行政書士は主に文書の作成を業務とし、自筆証書遺言のアドバイスや作成支援を行うことができます。ただし、登記手続きや遺言執行者としての活動はできないため、相続発生後の実務に関しては限界があります。

司法書士は、文書作成能力に加え、不動産の相続登記や遺言執行といった実務手続きに精通しており、実際の相続手続きまでを見据えた遺言書作成支援を行える点が特徴です。特に不動産が絡む相続では、司法書士に依頼することで、死後の手続きが格段にスムーズになります。

まとめ

遺言書は、家族に対する想いを形にする大切な法的文書です。そしてその作成には、単に気持ちを綴るだけでなく、法律上の要件を満たすこと、誤解や争いを招かない表現にすること、将来の相続手続きと整合性を持たせることが求められます。

司法書士は、遺言者の意向を的確にくみ取りながら、法的に有効で実務的にも通用する遺言書を作成することができます。さらに、公正証書遺言の作成においては、公証人との調整から証人の手配、当日の立ち会いまでを含めてトータルでサポートが可能です。

相続人間のトラブルを防ぎ、ご自身の意思を確実に伝えるためにも、司法書士による遺言書作成支援をご活用ください。

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